日本歯科評論7月号
4/9

澤さわ田だ則のり宏ひろⅠⅡ診療ガイドラインから考える深在性う蝕への臨床対応 「診療ガイドラインを作成している」というと,「根管貼薬剤は何がいいの?」「ラバーダムはしないといけないよね」という質問が返ってくる.このような質問は診療ガイドラインで調べることではなく,ポジションステートメントなどで学会が発信していくべきことであり,教科書にも「こうすべきである」と記載されているような内容である. では,診療ガイドラインでは何を扱うのか? 『Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020 ver3.0』では,「実臨床における問題を重要臨床課題として設定する.重要臨床課題としては,現時点の診療プロセスにおいて複数の選択肢が存在し,これらの益と害のバランスが不明瞭な臨床上の課題を取り上げる」と記載がある■).治療法の選択として白黒はっきりしていないようなクリニカルクエスチョン(以下,CQ)を設定し,現段階のエビデンスの確実性を提示し,医療従事者と患者が治療法を選択する手助けをするのが診療ガイドラインの目的である. 診療ガイドラインとは「設定したCQに対するシステマティックレビューと澤田デンタルオフィス〒160-0004 東京都新宿区四谷1-18 綿半野原ビル別館₁階日本歯科評論(通刊第969号) 27特 集究極の歯髄保存診療ガイドラインとは臨床においてどのように活用されるべきものか歯髄保存の診療ガイドラインにおけるCQとその考え方2.診療ガイドラインが推奨する歯髄保存

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る