EBMはじめの一歩
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エビス先生:ここで批判的吟味という言葉に触れてみましょう.批判的吟味とは,ただ単純に情報に触れて,内容をそのまま鵜呑みにしてしまうのではなく,示された情報を自分の頭を使って妥当性を検討し,評価することです.決してすべての情報を疑う,ということではありません.  書籍の内容でも,講師の話でも,論文の内容においても,情報に触れる過程において,「その情報は自分にとって臨床で活かす上で適切な情報であるか?」を考えることが必要です.そのためのトレーニングとして,論文を読む,ということはとても大事なことではないでしょうか.Dr.ビギナー:論文ですか…….GPとして進もうと思っている自分には,縁のないものだと思っていました.英語,苦手なんですよね.すごく量も多くて,読むのも面倒なイメージがあります…….エビス先生:英語は翻訳サイトを使えば,案外どうにかなるものです.論文も必ずしも全部を読む必要はなく,「読み方」さえ知っておけば,全体像を把握することは決して難しいことではありません.臨床医として最も大事なことは,目の前の患者さんに対して,質の高い医療を提供することではないでしょうか.過去,現在,未来の自分自身の臨床でのアウトプットに対して,エビデンスを自分自身の患者さんに当てはめながら,日々の臨床のサイクルを回していくことが重要です.Dr.ビギナー:論文を読むことで,これまでの自分の判断が正しかったのか,今の自分のやり方は間違っていないのか,これからどういう治療をしていけばいいのか,を知ることができるということですね!9 批判的吟味を実践することが大事!

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