日本歯科評論11月号
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藤ふじ澤さわ政まさ紀のり₁ 三み浦うら賞しょう子こ₂明海大学歯学部機能保存回復学講座クラウンブリッジ補綴学分野 1教授 ₂准教授〒350-0283 埼玉県坂戸市けやき台1-1 現代の歯科臨床,とりわけ修復治療は接着操作なしでは成り立たない,と実感する方は多いのではないでしょうか.各メーカーから毎年のように新しい接着システムが製品として臨床の場に提供されます.そのような中,「ボンドマー ライトレス」(トクヤマデンタル)は光重合を必要としないボンディング・プライミングシステムとして注目されてきました.今回,いくつかの改良点を備えた「ボンドマー ライトレスⅡ」が発売されましたので,その特徴と臨床例を紹介します(図1). 従来のボンドマー ライトレスではA液が透明であったため,滴下や混和の確認がしにくい場合がありました.■液とも着色されたボンドマー ライト図1 「ボンドマー ライトレスⅡ」(トクヤマデンタル)のパッケージ.レスⅡでは,混和の状態を色変化で確認できるようになっています.A液は黄色,B液は青色,混和液は緑色となるため(図2),混和時の色調でA液とB液のおおよその混和比も確認できます.また,室温保存(■〜25℃)できるため,冷蔵庫内の限られたスペースを占有することがありません.そして,これまでのように操作が必要な時に常温に戻す待ち時間も不要です.このことは,日常臨床で頻繁に使用する接着操作時のストレスを軽減してくれます.図2 (左から)A液,混和液,B液.日本歯科評論(通刊第961号) 79「ボンドマー ライトレスⅡ」の特徴はじめに₁.ボンドマー ライトレスⅡの改良点マルチユース接着材が開いたスマート診療の扉「ボンドマー ライトレスⅡ」その先へ

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